wordpress.com雑感

記事を書いたりセットアップしたりしながらのまとめ。

ブログを書いたりする、という面ではやっぱりラクなシステムだ。が、意外な点がいくつかあったので記録しておく。

細かいカスタマイズが意外と出来ない。wordpressにはプラグインが山ほどあり、wordpress.comではそうしたプラグインがいろいろ使えるのだろうと思っていた。だがどうも、基本的にはあらかじめ設定されたプラグインセットが入っているだけで、追加削除はとくにできない仕組みになっている。らしい(ビジネス、という年間$299のものに入ると、ショッピング系などを作ることのできるプラグインは追加で入るようだ)。

これはサービス提供者側としても楽な割り切りだし、使っている方でもおおむね困ることはない枠組みだ。けれども、おかげで意外なことができなかったりする面もあるような気がする。たとえば、

  • ぼくは写真はgoogle photosを使っている。そういう外部の写真サービスの内容をそのままインポートするいい仕組みがない。画像は画像としてアップロードしなおしたり、といった処理が必要になる。
  • amazonアフィリエイトリンク入れるのは面倒。
  • サイドバーにも、個人的にはGoogle+のプロフィールへのリンクを入れたいのだけど、ちょっとうまくいかない。
  • ソーシャルサービスへの接続と自動共有の機能。本文は共有しないでほしいんだけど……ってのがカスタマイズできない。facebookは全文改行抜きで入っていて閉口したので接続を解除しました。Google+接続はなぜか投稿が自分にしか共有されません。なんなんじゃそりゃ。

などなど。プラグインはwordpressの大事な価値だと思っていたので、ホスティングサービスでどういうふうにバランスさせているのかな、と思っていたけど案外とどうでもいいというか、プラグイン入れたきゃ自分で運用したら?という雰囲気なのかな。

テンプレート編集

生HTMLはいじれないけど、ウェブUIからそこそこカスタマイズできる。これはまあ予想通り。だがサイドバーにdisclaimerを入れたかったのだけど、入れるためのいいウィジェット(プラグイン)がない……こまった……となった。

その後、ビジネスオーナー向けのコンタクト情報ウィジェット(お店とかの営業時間などを入れるためのもの)があったので、それをdisclaimerということにして勝手に適当な文字列を埋め込んだ。

広告

意外に思ったが広告は基本的には出ないようになっている。wordpressは有料ユーザからの課金が主な収入源になっているのだろう。書き手からお金を集めるサービス……ってそれ自費出版と同じ業態だな……いやまあいいけど……。

ただ、WordAdsという独自の広告システムを持っており(よく考えてみると某社の検索連動広告にたいへんよく似たネーミングである)、そいつがいろんな広告システムを取り持ちつつ広告を出し、書き手とレベニューシェアできるようになっているようだ。まだ使ってないけど、そのうち申請するかもしれない。

ところで、運営側が広告を決めるシステムというのはなかなかいいんじゃないか?という気もする。変なエロ広告とかを出すまとめブログとかを作りづらい構成になっているということなので。

# なお……ニュースメディアなどはVIPという特別な料金体系のコースになっていて、そちらはめちゃくちゃ柔軟な特別対応が取られているようで、上のような話は関係ない。サーバごと別だったりするんだろう。が料金は月$5,000から、とかそういうレベルです。

プロフィール設定

ユーザごとのプロフィール画像や他のソーシャルサービスへのリンクなどはwordpressは受け持たないことになっている。wordpressの運営元が作っているgravatarというサービスにプロフィール情報は記述できるっぽいんだけど(別のソーシャルサービスのプロフィールへのリンクも生成してくれるんだけど)、別サービスになっているのはあまり嬉しい感じがしないし、gravatarのサイドバープラグインが好みじゃないのだよなぁ。困ったものです。

別にwordpress.comのなかにそういう設定を入れればいいだけだと思うんだけど、なぜそうなっていないんだろうか。

そのほかの雑感

こういうのを見ていると、wordpressのビジネスモデルというのがすけて見えてくる。ローカルビジネス、レストランやリテールショップの公式サイトのようなあたりをターゲットにしているんだな。独自ドメインを簡単に運用できたり、レイアウトはそこそこできて、適当なページをいくつか作っておけばいい。営業時間情報を出したり、ショッピング系のプラグインは入れられるようになっていると。

techcrunchなどではwordpressはMediumと競合しているというようなことを言っているけれども、それは違うんだろうなと思う。Mediumは記事を書くためのプラットフォームだが、wordpressはサイト構築プラットフォームなわけだ。そういやそうだよねえ(シックス・アパートとかもそういう方向にいってるよね)。なるほどねえ。

AMP

もう一点。うえではひとしきり「柔軟性の欠如」を文句のように書いてみたけれど、これは必ずしもそうとも言えないのではないかとも思う。サイト全体構造のHTMLはいっさいいじれないというのは、AMP的なアプローチの導入が可能になるということだからだ。

AMP (Accelerated Mobile Pages)はGoogleほかが提唱している枠組みで、モバイル環境でも高速な画面を可能にするHTMLのサブセット+カスタム要素のことだ。詳しくは別に記事を書いてもいいけど、なかなか面白い仕組みだと思っている。

で、実際well-definedなウィジェットしか使えないのであれば、それらのウィジェットがAMP化すれば相当高速化できるだろうし、嬉しい面も多いだろう。wordpressの方向性にも沿っているような気がするしAMP的にはできるとうれしいんじゃないかなぁ(と思ったらwordpressは今後AMPを採用予定とのこと。わお)。