Arrival、メッセージ、あるいはあなたの人生の物語

テッド・チャンの傑作短編「あなたの人生の物語」映画化、見てきましたよ。タイトルArrival、邦題は『メッセージ』だったっけ?

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とうぜんみなさんも原作は既読だと思いますが、結論から言うとこれはよい映画化の成功例。なにもかも原作通りということでもなく、しかし原作の基本的な方向性とエッセンスをそのまま、うまく映画のかたちに構成している。これ映画にしてどうするの?と思ってたけれど、なんとびっくり、あれもこれもある。

見終わった後、これは再読せねばと思い読み返してみたところ、基本的なエッセンスだけじゃなくてかなりいろいろ原作のネタを拾って映画として再構成していたなあ、ということがわかって再度感心。カンガルーの語源の俗説とか、そういう小ネタもきちんと原作に出てきたものを拾っているのかーと思ったりしました。

ちょっと意外だったのは変分原理の話が(たぶん)出てこなかったところ。というかやはり、映画では細かい設定について一つ一つ説明したりはできないわけで、結果的にあれとか超能力めいてしまっているのだけれど……まあこれはこれでよいのかもなあ。

まあ俺みたいな小うるさい原作厨でもこれは良かったですよ。ヒットするような作品ではないと思いますが、ぼくの友達とかには当然おすすめ。個人的には実はちょっと序盤はちょっと展開がかったるいので眠くなってしまいましたが、最終的には楽しめる作品になっていましたので、飽きっぽい人間の皆様も頑張って起きてください。


それにしてもタイトルのArrival、ちょっと意味わからないのですが。邦題の『メッセージ』のほうがなんとなく意味が通じる気もしないでもないこともないでもない。