移転したコーヒー屋に行ったらデルモンテ工場跡地があった

好きでよく通っていたChromatic Coffeeというコーヒー屋が移転していた。この移転の話もこれはこれでちょっとややこしく、変な話なのだが、この記事の本筋とは関係ないのでひとまずおくとして、移転したのだ。

あたらしい場所はサンノゼのCalTrain駅からやや南にいったところ、正直あんまり足を踏み入れたことのない場所だ。治安がわるいとかではまったくないだろうが、shelter-in-place(自宅待機命令)の関係で営業しているのかもよくわからない。コーヒー豆は通販できるのでまったく営業していないわけじゃないだろうが、よくわからん。

というわけで行ってみた。8月頭のことなのでちょっと前のことだけど。

行ってみたらコーヒー屋が入居していたのは工場跡地を改装したようなノコギリ状の建物だった。周囲は大きなアパートが多い。もともと工場があったエリアの再開発地域なのだろう。ほかの入居店舗は自転車屋や氷屋、ビアバーなど。コーヒー屋としては営業はしていて注文もできるが、店内での飲食はもちろんできない。豆のローストはこの場所でやっているようだ。そこでコーヒー豆を一袋買い、ついでに妻と飲み物を一杯ずつ頼んだのだが、さてどうしたものか。駐車場の日陰で立ちのみをしている人もいるけれど、とおもって携帯電話の地図を見てみるとすぐ近くに公園があるっぽいので、そこにいってみることにしたのだ。

さてそのDel Monte公園という公園についてみたのだけど、道のむこうに見覚えのあるロゴがある。思わず二度見したが間違いなくデルモンテだ。デルモンテっていえばなんだろう。ケチャップか、トマトジュース? あれ。あのデルモンテのロゴだ。なんか貯水タンクみたいなやつにでかでかと描いてある。

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かなり近寄って撮った写真なので角度の関係でロゴがとても分かりづらいけど、よーくみるとおなじみのデルモンテのロゴが見て取れると思う。

デルモンテは日本だとキッコーマン傘下のブランドだが、もとはカリフォルニアの会社だ。もともとモントレー(シリコンバレーから南に行ったところにある街。今は水族館で有名)の近くに、かつてデルモンテホテルというリゾートホテルがあった。このホテルに卸す食料品を扱うということで(当時の)有名リゾートホテルの名前をつけたブランドがデルモンテなんだそうだ。そういう事情があるから、モントレーとサンノゼはそれなりに離れているとはいえ、関連する施設があってもおかしくはない。おかしくはないが気にはなる。

コーヒー片手に周辺を散策したら、史跡を紹介するパネルが道端に設置されていた。それによると、たしかにここはもともとはデルモンテの缶詰工場でフルーツ缶詰とかを作っていたものらしい。人口の多いサンノゼ近郊であり、線路の近くという地の利もあったため、けっこう大規模な工場があったのだそうだ。はじまったのは1893年(19世紀!)で、それが1999年まで工場として残っていたというから、けっこう最近だ。シリコンバレーともてはやされてドットコムバブルで湧いていたころ、いっぽうこのへんには缶詰工場があったりしていたのだ。

もちろん「けっこう最近」といっても20年以上前のことである。工場の跡地はやがて再開発され、いまではアパートになったり公園になったりしている。アパートになっているが、いわれてみれば工場跡の面影が残る構造だ。妙に広々とした入り口の道、意味もなく立ち並ぶコンクリの柱や建物の感じ。そしてなぞのデルモンテのロゴ入りタンク。

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公園もデルモンテの名を残しているだけじゃなくて、路肩の構造物が果物のかたちをしていたりして名残りがある。

コーヒー屋を追っかけに来ただけだったのだけど、なかなかおもしろいものを見た。近隣住民のみなさんもいっぺん行ってみると面白いと思う。