月: 2016年2月

『デッドプール』みてきた

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まあ面白かった。前情報を調べなさすぎており、X-MEN世界だということすら知らなかったレベルですが。

# 詳しくない方のために:マーベルコミックスのアメコミヒーローは原作では一つの世界観を共有していてクロスオーバーするんですが、映画は概ねアヴェンジャーズの世界とX-MENの世界のふたつに分かれていて、このふたつはとりあえずクロスオーバーしていません。アメイジングスパイダーマンは独立世界だったんだけどアヴェンジャーズに合流する予定のようす。

デッドプールはアメコミヒーローものとされているんですが、なかなかひどい設定で、映画もなかなかにグロかつひどい感じに仕上がっていて、R指定ということになってます(そのわりに子連れで見てる人いたけども、ダメだろそれ)。

ならず者だった主人公が末期がんに侵され、治るかもしれないという言葉にさそわれて人体実験を受けてひどい目にあい、そのなかで超常的な再生能力を身に付ける、というのが基本設定。

で、その能力のために死ぬことがほぼないデッドプールさんは、自分をひどい目に合わせた人体実験の人たちに復讐を誓い、施設を脱出した後で全員皆殺しにしようと画策するのですが、X-MENの人たちがそれを止めてデッドプールをヒーローとして迎えようとするのでしたが……というストーリー。

なのでデッドプールさんは基本的にならず者のままで、他人をガンガン殺しまくるわけです。銃とか刀とかで。敵の親玉はミュータントという設定なんですが、正直ヒーローらしさはない映画ですし、いわゆるアメコミヒーロー的な精神はまったく欠如しているわけです。まあそういう映画ではないので。

ただの殺し合いだと凄惨な映画になっちゃうんですが、そこはデッドプールの不思議な軽口とか、全体に漂う謎なユーモアで笑う感じになっていて。それとデッドプールさんにはもう一つ超常能力として「第四の壁を越える」能力というのを持っており、これは何かというと視聴者におもいっきり話しかけるんですね。こういうのもあって、グロメインというよりは、笑う感じに仕上げている……ような感じはある。唐突に視聴者に「ねえところで『127時間』みた? まだの人にはネタバレだけど……」って言うシーンはよかった。

ただ悲しいかな、自分の英語能力の関係で、デッドプールの軽口などはあまり理解できていないシーンもあり、そこでちょっとスポイルされているのかもしれない。あとやっぱアメリカ人の笑いどころはちょっとわからんこともあるな。

青崎有吾『図書館の殺人』

青崎有吾『図書館の殺人

体育館の殺人』、『水族館の殺人』に続くシリーズ3冊目。

今回も論理展開は面白かったんだけど、たださすがにパワーダウンという印象は否めない。個人的な好みの問題かもしれないけれど、ううーん、動機というか心理面での補足があったほうがいいんじゃないか。そういうのをあとで付け足したところで論理展開がそこなわれるわけじゃないのだし、と思ったりした。

それに、警察が裏染に捜査を依頼するといった展開や、柚乃が事件に関わる過程などはさすがに雑すぎるのでは……という感は少しある。キャラは増えて、裏染の設定などキャラものとしての展開を考えているのかな。

読んでいて「あれ」と思ったのは、作中世界がまだ2012年ぽいあたり。第1作の『体育館の殺人』が2012年という設定で、主要登場人物が高校生である関係で作中時間をあまり動かせないからだろうが、さすがにいかんともしがたくなってきていないか。ことにキャラ設定の都合上、作中にふんだんに出てくるヲタネタがだんだん鮮度を落としてしまっているあたりのつらさは、まだ感じないけれども予兆はある。あまり長引かせると少し悲惨なことになりかねないんじゃないかなぁ。

個人的には前2作はわりと楽しめたけど、今回はまあそこまででも。