まあ面白かった。前情報を調べなさすぎており、X-MEN世界だということすら知らなかったレベルですが。
# 詳しくない方のために:マーベルコミックスのアメコミヒーローは原作では一つの世界観を共有していてクロスオーバーするんですが、映画は概ねアヴェンジャーズの世界とX-MENの世界のふたつに分かれていて、このふたつはとりあえずクロスオーバーしていません。アメイジングスパイダーマンは独立世界だったんだけどアヴェンジャーズに合流する予定のようす。
デッドプールはアメコミヒーローものとされているんですが、なかなかひどい設定で、映画もなかなかにグロかつひどい感じに仕上がっていて、R指定ということになってます(そのわりに子連れで見てる人いたけども、ダメだろそれ)。
ならず者だった主人公が末期がんに侵され、治るかもしれないという言葉にさそわれて人体実験を受けてひどい目にあい、そのなかで超常的な再生能力を身に付ける、というのが基本設定。
で、その能力のために死ぬことがほぼないデッドプールさんは、自分をひどい目に合わせた人体実験の人たちに復讐を誓い、施設を脱出した後で全員皆殺しにしようと画策するのですが、X-MENの人たちがそれを止めてデッドプールをヒーローとして迎えようとするのでしたが……というストーリー。
なのでデッドプールさんは基本的にならず者のままで、他人をガンガン殺しまくるわけです。銃とか刀とかで。敵の親玉はミュータントという設定なんですが、正直ヒーローらしさはない映画ですし、いわゆるアメコミヒーロー的な精神はまったく欠如しているわけです。まあそういう映画ではないので。
ただの殺し合いだと凄惨な映画になっちゃうんですが、そこはデッドプールの不思議な軽口とか、全体に漂う謎なユーモアで笑う感じになっていて。それとデッドプールさんにはもう一つ超常能力として「第四の壁を越える」能力というのを持っており、これは何かというと視聴者におもいっきり話しかけるんですね。こういうのもあって、グロメインというよりは、笑う感じに仕上げている……ような感じはある。唐突に視聴者に「ねえところで『127時間』みた? まだの人にはネタバレだけど……」って言うシーンはよかった。
ただ悲しいかな、自分の英語能力の関係で、デッドプールの軽口などはあまり理解できていないシーンもあり、そこでちょっとスポイルされているのかもしれない。あとやっぱアメリカ人の笑いどころはちょっとわからんこともあるな。