Month: 2020年4月

Shelter-in-place (自宅待機)の2週間

わたしの住むカリフォルニア州サンタクララ郡が、shelter in place order(自宅待機命令)を出しておおむね2週間が経った。なにかの足しになるかとTwitterで日記的な投稿をしていたのだが、いったんまとめておく。東京・日本とは事情が様々にことなるが、雰囲気などが伝わったり、なんらかの参考になればさいわいだ。

用語について。いろいろな用語があるのだが、ロックダウンという言葉は使わないことにしている。というのも、街のロックダウンは武漢やイタリアなどの制限のかなり厳しい命令であるかのように思えるからだ。たぶんそういうニュアンスから、アメリカでは各地域でいろんな言葉で自宅待機の指示を出しているのだとおもわれるが、ともあれカリフォルニア州ではshelter in placeという言葉が広く使われている。homeという語でないのはホームレスの人々なども対象であることが念頭にあるのだとおもうが、基本的には「自宅待機」のような意味なので、そう訳すのがいいと思っている。

制限内容については、かんたんにいえば「必要不可欠な業務(essential business)はそのまま維持される」「そうした必要不可欠なサービスや商品の買い出し、必要不可欠な活動(essential activity)をのぞき、自宅にい続けること」といった状況になっている。essential businessについては、スーパーなど食料品店、工作用具店、銀行、病院、政府機関、ガソリンスタンド、車などの修理、水道管修理、ゴミ回収などが該当するとなっている。レストランはすべて営業禁止。ただしテイクアウトの注文は受け付けてもよい。タクシーや配車アプリも可能。公共交通機関も利用可能。essential activityにはちょっとした散歩やジョギング、ハイキングなどの余暇的活動も含まれる。ただし外出先ではsocial distancingを保つこと(2-3メートルは離れること)。友達などと集まるのも禁止。

こうした制限はそれなりにリーズナブルだし、封鎖というものものしい言葉よりはゆるいとおもう。

ただ実際にはゆるゆるというわけにはいかない。店によって、業態によって、ものすごく影響がある。営業時間を短縮した店もあるし、こんなんじゃやってけないと一時閉店した店もある。営業をつづけていても店内立ち入りを制限したり、注文はオンラインでしてピックアップのみの営業になったりすることもある。

たとえばスーパーは濃厚接触を避けるために入場制限をしていて、入場列がおおく見られるようになった(ぜんぜん並ばないスーパーもあるけど)。入場列も2mとかずつ離れて並ぶ必要がある。レストランについては、これを機にテイクアウトをはじめた店もあるが、残念ながらやはり一時閉店を決めた店もある。ある日には営業していても次の日には急に閉まることもある。ハイキングはオッケーといっても人が混み合えばsocial distancingを保つことはむずかしく、けっきょく国立公園や州立公園などは閉鎖されてしまったりもする。制限の内容から現実を想像するのはなかなかむずかしい。テック企業の従業員であるわたしみたいな人間は比較的のんきに生活できているほうだとおもうが、そういう人間であってもけっこうなストレスはかかる。もっと直接的に影響があるなら推して知るべしだ。

スーパーなどのパニック買いや買い占め等の影響についても書いておく。shelter in place発令直後はずいぶん混雑して、スーパーからいろんなものが消えていった。買えないものもけっこうあった。ただ食料品の流通はわりにすぐに回復した。とくに生鮮食品はほぼ平常時といっていいレベルになっている。冷凍食品系は店頭在庫はいっとき空になったが、すぐ回復した。缶詰類は在庫薄。それと小麦粉がかなり売れているようだ。保存がきくし、いろんな料理に使える。それと在宅で暇になったのでパンを焼いてみる人が増えているらしい。ミネラルウォーターもけっこう品薄なようだ(うちはBRITAを使っているので影響がないが)。ドラッグストアではいわゆる風邪薬的なものが品薄なようだった。

トイレットペーパーはいぜんとして品薄がつづいている。自宅待機のために買い足しておきたい需要増が大きいのと、また各家庭の消費量が増えているためではないか、という話もあって説得力はある。ぜんぜんどこにもないというほどでもないが、買えるかどうかは運とタイミングといった状況はまだ続いている。

食生活については、夕食はこれまでも基本的に自炊していたのであまり変化がない。昼食は地元のレストラン支援もかねてデリバリーを頼んでみたり、でもまあかんたんなものをつくるほうが多いかなとなっている。朝は牛乳一杯とか、そういうふうにしている。ところで自宅待機生活による食生活の変化で太るというパターンと、逆に痩せるというパターンがあるけれど、わたしは後者。ふだん会社にあるスナック類を食べてたからかねぇ……。

以下、時系列にツイートを紹介しておこう。

3月17日。初日。あちこち散歩したり様子を見に行ったりしているが、前日までとは大差ないかんじ。お店もけっこうやっている。

18日。スーパーの在庫を眺めたりしている。状況はたいしてかわっていない。

19日。まだもつとはいえやや心もとなくなってきたトイレットペーパーがこのタイミングで買えたのは僥倖。上司もこの日の朝にCostcoにいってトイレットペーパーを無事ゲットしていたがけっこう並んだようだ。ランチは近所のラーメン屋のデリバリー。

20日。電機屋のBestBuyがふつうに開いていて入場列ができていたとおもったら、予約注文した『どうぶつの森』のピックアップ列だったのはさすがに笑った。

21日。土曜日。週末ということで気晴らしにハイキングにでかけた。Rancho San Antonioはサウスベイからは激近なわりにけっこういい。駐車場は混んでいたが、ここはいつでも混んでいるし、エリアに出てしまえば人口密度はさほどでもなく距離を取るのは容易だ。でも今後は閉まっちゃうのかもなぁ。

22日。先日とおりがかったBestBuyに入れなくなっていることに気づく。ボバティ屋も閉まってしまった。期間が長期化すると、だんだん閉店する店が増えていく。悲しみ。

23日、月曜日。ふつうに仕事。夜に散歩というかんじ。

24日。チャパグリつくってます。実はshelter in place中すでに2回めのチャパグリだった。

25日。ランチは自炊だったり外食だったりを適当に繰り返している。外食はDoordashが多い。午後の散歩が日が暮れてからになってしまったが、なんだか星が綺麗だなと思った。交通量が激減して大気汚染がずいぶん改善したという話もあったので、その影響なのかもしれない。気のせいなのかもしれない。ちなみに公園はふつうに散歩できて、園内の歩道を散歩しているひとたちがそこそこ見えるが、遊具はテープなどで封鎖されて使えなくなっている。

26日。特筆することはあまりない。写真のパスタはけっこうおすすめ。パスタとソースが一体化しており、お湯に入れるとソース分が溶けて、水気がとぶくらいまで茹で続ければ完成というもの。楽だしうまい。アメリカでもわりとめずらしいインスタント食品だとおもうけどおすすめ。

27日。やはり特筆事項なし。このタイ料理は辛すぎず、なんとも美味かった。とくにトムヤムクンはいままで食べた中でも一番美味かったかもしれない。

28日。週末。買い物にでかけた以外はとくにやっていない。

29日。日数まちがえてツイートしている。とおくからの歌声はヒマになった近隣住民がうたってるのだとおもう。Popeyesは数ヶ月前にはチキンサンドがえらい人気で大行列だったのだが、いまはもちろんそんなことはないとおもう。

30日。月曜日。ほんものの14日目。

31日。こんどは近隣住民のだれかがウクレレを弾いていたようだった。この日、shelter in placeのあたらしい命令が発令された。ただ制限内容を細かく明確化したり、これまでいきなり公園の遊具を使えなくしたりしていた行為を明文化したり、といった面がおおきいように思える。あと自宅にいろよという期間が伸びた。

4月1日。茹でるだけのパスタその2。