月: 2020年5月

Mt. Umunhumに登った

妻に教えてもらうまで知らなかったのだが、Mount Umunhum という山がある。南側サンタクルーズ山脈のなかの山で二番目に高い(標高1,063メートル)。また、山頂に直方体の建物があるのも特徴で、教えてもらってわかってみれば、たしかにたまに山を眺めてみると、山頂にあきらかな人工物が建っているやつがあってあきらかに異様なかんじがある。それがUmunhum山だ。

山頂の建物は元アメリカ空軍の施設で、今は閉鎖されている。入れはしないが、かなり近くまで行けるらしい。

山頂の施設のすぐちかくまでは車で行ける(空軍の施設があったぐらいなので、そのころに整備されたのだろう)。また現在は近隣エリアはSierra Azul Open Space Preserveになっていて、歩いて登るハイキングロードも整備されている。

これを登ってきた。ルートは https://www.alltrails.com/trail/us/california/mount-umunhum のもの。往復約7.7マイル、高低差が約1100ftくらい。結論としてはだいたい4時間ぐらいかかりました。

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歩きはじめ。この四角いところまで歩いて登るということだ。

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山道はだいたいずっとこんなかんじ。道は整備されていて歩きやすい。

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途中、なんらかの廃墟があった。20世紀前半ころにはこの辺に住んでいた人もいたのだという。めちゃくちゃ辺鄙な場所だが……。ただ、隣接するAlmaden Quicksilver County Parkは、かつて金鉱のために辰砂を採掘していたらしく、こういうところにも人が住んでいたのだようだ。

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かなりちかづいてきた。ほぼゴール。

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例の直方体。間近で見るとでかい。

ちなみにこの建物がなんだったのかというと、冷戦時代のミサイルや敵機を監視するためのレーダー基地だったのだという。当時は上にでっかいアンテナがついていたらしい。1957年に建設され、冷戦のかなり初期から運用されていたものらしい。80年代には役割を終え、廃棄された。それからずっとこのままらしい。アンテナだけ撤去されたのが何故なのかはよくわからない。

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帰りに気づいた、トレイルの脇で遺棄された車。ぼろぼろになっている。

途中の道は鳥の鳴き声はよくしたが、あまり動物は見かけなかった。リスがいたのと、鹿は一匹だけ見かけた。鹿はそれなりにいるようだ。

それにしても冷戦時代の遺物がこんなふうに残っているんだなぁ。なんとなく感心してしまった。

ところでいままでカタカナ化してこないできたが、Umunhum山、なんて読むかわかるだろうか。ぜんぜんわからないので我が家では「ウムンフム」とかテキトウに呼んでいた。グーグル地図では「ユマンハム」となっているが、これが正しいとも限らない。

それで調べてみたらKQEDの紹介動画が出てきたが、hは読まずに「ユマナム」と読むものであるらしい。語源は現地のネイティブアメリカンであるオローニ族(Ohlone)の言葉のようだ。

動画ではいろいろほかのことも説明してくれている。たとえば、空軍がこのレーダー施設を運用していたころは、近隣に隊員やその家族のための宿舎があり、ちょっとした街のようだったこと。ところが空軍が撤退してからはそのままじつに30年以上放置されており、ちょっとした廃墟の街と化していたこと。ついに片付けの予算が連邦政府からおりたのが2009年のことで、その作業中であること……。もしかしたら将来、この直方体の建物もなくなるのかもしれない。老朽化したら危険なのは確かだろうし。

動画では、かつてレーダー基地で監視業務についていた元隊員まで登場していて面白い。

意外なところで歴史の面白さも感じられるハイキングでした。