さて、前回も書いたけどアイスランド観光のメインは自然である。アイスランドは火山島で、けっこうたくさん火山があり、氷河もあったり、自然の景観の見どころはおおい。おおいというかメインの観光スポットは断然そっち。たいていの観光地はツアーが組まれているようなのでそれに参加してもいいし、レンタカーを借りて自分で巡ってもいい。それ以外の巡り方もある(後述)。今回はレンタカーを借りていたので、自分で巡ることにした。といってもあくまでも日帰り旅行の範囲内でだけど。
アイスランドのこうした有名な景勝地のうちとくに有名で、しかもレイキャビクから近くて日帰りしやすい場所が複数あり、これらはまとめてゴールデンサークルと呼ばれている。
Þingvellir national park (シングヴェトリル国立公園)
Þingvellirの最初の文字は英語のthの音を意味する文字で、昔の英語にもあったが廃れてしまった字だ(thornという)。アイスランドにはまだ残されており、頻繁に目にする。どういうわけかlの前にはtの音が入ることが多いようでÞingvellirをカタカナ表記すると「シングヴェトリル」といったところになる。比較的広めの国立公園である。いったんインフォメーションセンターみたいなところまで行ったところではてどこに行ったものかわからなくなり、検索して手近な景勝地であるÖxarárfossという滝と、Langistígurという崖のあいまを抜けてその上まで行く道を歩いてみた。ゴツゴツした岩肌でカッコいい。
Brúarfoss (ブルーアルフォス)
川の中央部分が落ち窪んで崖のようになっており、そこに川水が流れこんで一部だけ水色になっている場所。どうしてこんなふうになるのか、ものすごい奇観。水色がとても綺麗。おもしろい。
日本語の紹介ページでは「私有地のため通行止めになり行けなくなった」という情報があるが、行けます。もともとホテルというか別荘地?のような私有地を抜けて到達するルートがメジャーだったが、迷惑だったのかそこは通行止めになってしまっている。が、3kmほど手前から行く別の道があり、新しく独自の(有料の)専用駐車場が用意されるようになって何のおとがめもなく行ける。Google Mapsのナビだと旧来の私有地ルートを案内されて行けないじゃん、となることもあるので注意。看板等で案内されているので、ナビで行き止まっても看板を思い出して案内通りに辿っていけば到着できると思う(というか、私はそのようにして行った)。
Geysir (ゲイシール)
間欠泉。10分ていどに一度吹き上がってエンタメ度が高い。ほかの場所よりあきらかに観光客が多く、みんなで待っていて謎の一体感もある。近隣にはたくさん間欠泉や温泉が湧き出ている。英語の geyser (ガイザー)の語源らしい。
Gullfoss (グトルフォス)
滝。水量がものすごい。二段になっており、下段の落差がすごい。ご覧のとおり行ったときには滝の水滴で虹が出ていた。かなり近くまで行けるが滝の水でびしょぬれになる。写真ではなかなか伝えづらいが迫力がすごかった。下段はかなり高さがあり、水量も多いので、ウィキペディアに書かれているように水力発電所になるという計画も理解できる(が、成立しなかったおかげで観光地として成立している)。
Kerið (ケリズ)
火山跡のカルデラ湖。ゴールデンサークルのなかではÞingvellir、Geysir、Gullfossの3つがメイン観光地とされていてそれ以外は「控え」みたいな扱いなようで、Keriðは少し地味かと思った。しかし、火山の火口が絵に描いたようにくぼんでおり面白い風景なのも確か。ちなみに最後の文字のðもÞと同じく古英語にはあった文字でethといい、やはりthの音を意味する。Þが無音のth (thinなどのth)であるのに対してðは有音のth (thisなどのth)であると説明される(厳密には、古英語ではそこまではっきりとそのように使い分けられていたわけではない、という話も聞いたことがある。が、いずれにせよ現代アイスランド語ではそのように使いわけられている)。
おまけ: Efstidalur II
ゴールデンサークルの経路上にある酪農兼レストラン兼アイスクリーム屋さん。アイスクリームを食べるスペースのすぐ脇に(ガラス越しだが)納屋があり、牛がのんびり草を食べていたりする。よくわからない組み合わせだが面白い。牛はさすがに一般客は近寄れないようになっていました。アイスクリームはミルクの味が濃くて美味しかった。
ここからはゴールデンサークル外の場所。別の日に行った。これも滝。落差はそれほどでもないが、川幅が広くて水量が多く、行ってみるとなかなか迫力がある。実はアイスランドで一番水量の多い滝はGullfossではなくこっちらしい。意外だけど水量というのは主に川幅の話だからかな。アイスランドで一番多いだけではなくヨーロッパでも二位だとウィキペディアには書いてあるな(ヨーロッパ一位はライン滝らしい)。なんかそう言われると有難味もあるが、正直そこまでピンと来ないかな……。割と地味な場所にあり、観光客はそれほどいなくて快適だった。
滝の裏側が大きくえぐれていて裏側を通っていける滝。ここは観光客でにぎわっていて、実際には裏側まで行ける道はけっこうな行列になっている。でも楽しいし風景として面白い。そこまで濡れないと思っていたが、通路の出口付近が支流の小さな滝をそのままくぐる経路に(私が行ったときは)なっていてびしょ濡れになった。子供はちょっと嫌そうだったが親としては楽しい。行く価値あります。
ひとつ前のSeljalandsfossから歩いてすぐのところにある別の滝。岩に隠れて見えない……かと思いきや、割れ目のような隙間を抜けていくと滝を拝める。けっこう危険なので、ここは子供はやめることにして親が交代で見にいくことにした。ゼルダだと祠があるんだろうなぁというこの景観よ。通り抜ける道は川沿いに転がる石の上を渡っていく感じで、行き来する人も多くてけっこう難儀するが面白い。みんな自撮りしてた。私もした。アップロードはしないけど。
とまぁこんな感じで、首都近くの観光スポットだけだし、その範囲でも別に全然網羅できてないけれど、楽しかったし面白い風景ばかりでアイスランド楽しいなーという気持ちになりました。
そうだ思い出した。先述したように、私は基本的にレンタカーで自分で運転してこういう箇所を巡っていた。そういう人が一番の多数派だったと思うけど、ほかにもいろんな人たちがいた。まずツアーバス。こういう観光地は(とくにメジャーなところでは)駐車場にも観光バス向けのスポットなどがあり、ツアー客が多くいた。なかには非常にゴツいタイヤのツアーバスもあり、どうやら私たちが行ったような場所からさらに先の山に入っていって氷河とかも見たりするようなツアーもあるようだった。
それと別にいろいろ見かけたのは自転車の人たち。かなりいっぱいいた。しかもそこそこの割合でけっこうな荷物を自転車に載せている人を見かけた。どれぐらいのスケジュールなのかは知らないが自転車旅行ということなんだろう。そういう趣味の人にはいいのかもしれない。どういうルートなんでしょうね。島全体を一周するのはすごい大変だろうが、ゴールデンサークルあたりをぐるっと巡るんだろうか。
あと見かけたのがヒッチハイカー。家族旅行だったのでピックアップしたり話したりすることはなかったが、わりとたくさん見かけたが何だか新鮮で見かけるたびに「おおっ」と思ったりした。