スプラトゥーン2のスペシャルのはなし

https://note.mu/r_nikaido/n/ncac16b5a1001

これを読んでの反論というか雑感。

なお自分の腕前はざっくりいうとS+下位、おもにスピナー使いのエンジョイ勢。1のときはS+に上がれたことがあったかどうか、という程度のS帯。

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で。

自分の違和感というか異論の根幹は

ゲージを溜めに溜めた貴重な必殺技

というスペシャルの位置づけではないかとおもった。スペシャル、そういうんじゃないでしょ……。名前がいうほどには特別感はないし、せいぜいブキの機能のひとつぐらいでしかないようにおもう。それに必殺技ってのもちょっとちがう。

敷衍して、また全体的な論旨からかんがえるに、この文章の著者はスプラトゥーンをFPS/TPSの一種であって、スペシャルを発動させて敵を蹂躙するなどのアクションを楽しむゲームとして位置づけているのではないか?

自分はあんまりそうおもってない。キル数そのもので勝敗が決するわけじゃないわけで、ある特定のルールの上での勝敗を決するゲームであるとおもっている。敵と戦って撃ち勝つのは大事なんだけど、それだけじゃないし、だからこそユニークな面白さのあるゲームなんではないか……べつないいかたでいうと、ぶっちゃけ自分はエイムもゴミだしぜんぜん戦えないプレイヤーなわけなんで、そういうゲームだとつらい。よくつかってるスピナーもだいたい補助的な役割が多いし。

そういう観点からいうと、スペシャルは状況におうじて的確につかうもので、キルをねらいにいくときもあれば、それ以外の目的でつかうこともある。たとえばマルチミサイルやハイパープレッサーはたいしてキルをとるのには向いてないけど、敵を移動させたり妨害したりといった使い方がある。

これに比べると1のころのスペシャルはつかいみちも限定されてて、それこそキルを取るぐらいしかできないものばっかりで、ゲームプレイを単調にしていたのではないか。

その意味で、

・1のスペシャルは、「キルできたのは自分が上手かったから」
・2のスペシャルは、「キルできたのは相手が下手だったから」

というのは全く違うとおもう。キルをとれたかどうかに限定せずスペシャルが有効に使えたかどうかで考えてみると、「相手が下手だったから」なんてことはまったくなくて、状況をちゃんとみて必要な行動を理解する必要があって、1のころより2のほうがずっと、プレイヤーの習熟を必要とする。

あとチャクチ狩り、S+下位でもふつうによく見られるとおもうんだけど。ヘタな人が無敵状態になる前に落とされるやつ。むしろS+ぐらいだとそこまでヘタな人がすくないのであんま見られないかも。

これは「eSportsに寄せた調整」というべきなのか? 自分は、戦闘アクションやスペシャルで一掃する「爽快感」ではない、スプラトゥーンのもっていたゲーム性というものがあって、そちらによせてきた、ということではないかとおもう。

さっきもかいたけど、自分がよくつかうのはキルのとりやすいブキじゃなく、どっちかというと補助的な役割のほうがおおきい。そもそもそんなに上手くないのでキルはぜんぜんとれない。そういう人間からすると、キルのとりあい一辺倒なゲームよりも、いろんなタイプのブキがそれぞれに意味があって、それぞれのプレイスタイルが噛み合わないと勝ちづらい、そんなゲームのほうが優れたゲームではないか、とおもえる。それがeSports的だ、というなら反論はしないけど、であればべつに実況や大会を志向しているってことではないとおもう。

でもそうだとすると、1のほうが初心者向けでわいわいたのしめたよね、2は玄人向け、ということはあるだろうか? 自分は1をやっていたから、そこはわからない……けど、2がかならずしも玄人向けってことはないんじゃないかとおもう。それぞれのブキによるプレイスタイルの多様さ、シューター系ゲーム経験者じゃなくてもたのしめる間口のひろさ、っていう言い方もあるのではないかなあ。

ただ、このゲーム性の関係上、スプラトゥーンは複数人がきちんと協力しないと勝ちづらいつくりになっているのは確か。1ではそれでも単独で無双していれば勝てたりしたんではないかとおもうけど、2ではこれがかなり難しくなったように調整されているとおもう。新ルールのガチアサリもこの方向性で、あれマジで一人でがんばってもまったく勝てない。開始当初のC帯のつらさよ……。

その結果、ランダムなガチマッチがつらい、ボイスチャットしながらリーグマッチするほうがたのしい、という話は、わかる。自分はリーグマッチとかプライベートマッチとかあんまりしてなくて、ふつうのガチマッチもたのしいと思っている。こまかい意思疎通できないなかだからこそおもしろいってのはあるんじゃないかとおもうけど、マッチングした味方がヘタでまけたりするとつらいしな……。真剣なガチ勢はストレスをためがちかも、っていいう気はする。

なおボイスチャットなしの非常にかぎられたコミュニケーションしかないセッティングは正しかったんじゃないか。いやたぶんこれはゲーム性とはあんま関係なく、見知らぬ人とのランダムプレイにボイスチャットがあると罵詈雑言のとびかうイヤな世界になっただろうからだが。

ともあれ、スプラトゥーンは2において、キルのとりあいなシューターゲームとはまたちがった、独特の立ち位置を志向したのだとおもっている。もちろんそれがうまくいっているかどうかとか、バランス調整がうまくいっているか、というのは別な話であるけれど、でもスペシャルのこの方向性は、理不尽がどうとかいうことではなくて、そういうゲームの方向性の話ではないか(だいいち理不尽さが課題なら1確のブキとかもっと調整するはずでは)。で、自分はその方向性じたいは支持する。

まあそんなかんじです。