シアトルに行ったのでスタバ一号店に行ってきた

ちょっとシアトルに出張に行ってきた。土曜に空き時間を作ったので市内観光ということで、スターバックス1号店にも行ってきたのだった。

諸般の事情でホテルはカークランドエリア(シアトルからはワシントン湖を挟んで反対側、車で30分ぐらい)にとっていたので、路線バスに乗って近くまで来てテクテク歩く……歩く。それにしてもシアトル市内、スタバ多すぎないか。日本のコンビニぐらいの密度でスタバがあるぞ。

さて適当に近づいてくると妙に商業的に栄えた……というか、観光地化したエリアにたどり着く。その中を歩いていったらそれらしいものを見つけた。というかすごい行列。店の外まで列が伸びている。スタバのくせに。

IMG_20160416_125323

店内も人だかりで、とてもゆっくりできる感じではない。客もみんなで自撮りしまくっておりなんなんだこれはなんの店なのだ、という気分になる。

そこでは記念品(この店舗でしか売ってないという触れ込みの、昔のロゴのマグ)とカフェラテを買い、混雑から脱出。近くの観光エリアのベンチでカフェラテを飲んでいく。なんの変哲もないいつものカフェラテだが風景は素敵。

で、カフェラテを飲みながらスタバ公式サイトの紹介記事を読んでみると、ちょっと話が違う。

まず内装写真が全然ちがう(こんなに広くない)し、テーブルが云々とかトイレが云々とか、あまりにも違う。おかしいなと住所で検索してみると、ちょっとずれている位置にある。

https://www.google.com/maps/place/102+Pike+St,+Seattle,+WA+98101/@47.6090899,-122.3421025,17z/data=!3m1!4b1!4m2!3m1!1s0x54906ab2fe9acb81:0xa02a33c8ba2ae24

IMG_20160416_150623

あ、行く途中に存在には気づいてたけどスルーしたこっちのやつか! 騙された、というのとは違うが(何せここが一号店でござい、とは誰も言ってない。人が多い、ロゴがちょっと違う、記念グッズ売ってる、などから勝手に勘違いしていただけだ)、しかし、なんだったんだあの混雑は。

(追記:けっきょく私の勘違いであり混んでいる方であってたというツッコミを受けました https://twitter.com/kzys/status/721878319029821441)

ともあれカフェラテを飲み終えたのでそっちにも行ってみた。

IMG_20160416_141121

こっちも人はそれなりに多いけど、先ほどの店舗と比べると随分空いていて落ち着いた雰囲気だ。変な観光地っぽい雰囲気もなく、むしろ真剣にコーヒー豆を選んでいるおじいさんがいたりして、地元民に愛される普通のスタバの雰囲気に近い。

メニューには店の前のストリート名を冠した豆があったので、これがイチオシであろうということでその豆を頼んだ。店内に配されたCLOVER(という特殊なコーヒーメーカー。動作がなんだかかっこいい)で淹れられたコーヒーは……まあいつものスタバのコーヒーであってあまり美味しいものではなかったけれども(そもそも僕はスタバに代表されるセカンドウェーブコーヒーは好きではない)、今回はそれでいいよな、ってことで大テーブルでのんびりとジョジョ4部を読みながらコーヒーと一号店の雰囲気を楽しんだ。

なお完全なる余談かつウィキペディアからの引き写しですが、スターバックスというのはそもそもサンフランシスコ在住の3人組が創業した時は、コーヒー豆をローストして売っていた店であって飲み物としてのコーヒーを売る店ではなかったらしい(『白鯨』に由来するスターバックスという名前は、英語教師、歴史教師、作家であったという3人の出自が大いに関係していることだろう)。そして3人と親交があり、コーヒー豆を焙煎する技術を伝授したのは誰であろう、Peet’s Coffeeの創業者であるAlfred Peetその人なのだという(と言っても知らない人は多いでしょうが、Peet’sはカリフォルニア州バークレーで創業されたカフェチェーンで、シリコンバレー・ベイエリアにはやたらいっぱい店舗がある)。

スターバックス創業者たちはその後80年代にPeet’sを買収するが、さらにその後、スターバックスの元従業員で当時は別のカフェを経営していたハワード・シュルツという男にスターバックス自体を売却してしまう。ハワード・シュルツは自分の事業をスターバックスの名前でリブランドして事業継続、もともとのスターバックス創業者たちはPeet’sの運営をしていたということのようである(ハワード・シュルツをスターバックスの「創業者」と見なすのは、この意味では正しい。現在スターバックスとして知られる事業体の創業者はハワード・シュルツの方ということになる)。ついでに言うとPeetはオランダ人だったし、現在のスターバックスのスタイルはどちらかといえばハワード・シュルツによるもののようだ。

という話を知って私はむしろPeet’sのことが少し好きになったが、さてではスターバックスの一号店とは実際にはどの店のことなんだろうか?

少なくとも公式サイトに「1971年」と書いてあるこの「一号店」は、最初に3人が創業したスターバックスの店舗であるようだ(細かく言うとほんとのほんとの創業地からすぐに移転したのが現在この「一号店」の店舗だという)。すると、ハワード・シュルツがIl Giornaleという名前で創業したカフェの場所、というのもきになるところ。どこかに残されているのだろうか?

IMG_20160416_133338
本題とは全く関係ありませんが、「偽」一号店脇にいたストリートミュージシャンが連れていた猫が可愛かった